これだけは知っておきたい、遺産相続ガイド

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遺産相続と遺言状

 遺言という制度は、被相続人が自分の意思で、自分の自由に財産を処分するための仕組みです。江戸時代までは、遺産相続に関して明確なルールはなく、相続争いというのは良くあることだったようです。武家社会では家禄という制度があり、これは「人」にではなく「家」に対して支払われる報酬でした。ですから、家禄を継いだ人は親が貰っていた給料と同じ給料をもらうことができたのです。羨ましい気もしますが、家督を継げない次男や女性は大変ですよね。また、親の時代に貰っていた家督以上の収入を得るというのは稀でしたから、親が貧乏武士であれば、子も貧乏にならざるを得ないという仕組みでもあります。そして明治時代に家督相続という制度が登場します。明治時代でも、被相続人は遺言による家督相続人を指定することが出来ましたが、遺言がない場合は、兄弟姉妹であれば男子を優先し、また嫡子優先が原則でしたから、実質長男が全ての財産、地位を世襲できるという法律でもありました。これが第二次世界大戦後に制定された、現在の法律、日本国憲法が施行されるまで続きました。日本国憲法が施行された後の民法は応急措置法を経て現在の相続法に近い民法が出来たのです。
 それでは、これから現在の正しい遺言状のルールについて紹介していきます。

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